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館長のヒトリゴト

佐久創造館「第6回 佐久の演劇祭」

2014.11.30

昨日、長野県佐久創造館(佐久市猿久保55)の“第6回佐久の演劇祭”に行って来ました。「能の楽しみ」と題した古典の企画公演と、公募参加による高等学校演劇班や劇団の上演もありバラエティに富んだ催しでした。

能はシテ方宝生流能楽師の金井雄資先生(紫雲会・紫影会・かたばみ会主宰/能楽協会理事)の講演と、金井先生・他の出演による実演の二部構成(14:00~15:30)。講演は能の歴史や役割に仕組み、所作あるいは楽器などについて解りやすく解説。とかく堅苦しく思われがちな古典世界だけに、時にはユーモアも交えて会場を和ませるなど親しみのわく内容となっていました。

この後、生憎時間の都合もあって私は観られませんでしたが、満席の会場では期待感と熱気に包まれて実演をご覧になられたことと思います。なお会場の外には能面や装束の展示コーナーもあり、能楽の奥深さに触れるものとなっていました。

夜は劇団・木炭自転車(すみちゃり)の観劇です。生い立ちなど詳細は分かりませんが創立21年目の劇団とのこと、これだけでも立派な実績だと思います。作品はシェアハウスに暮らす仲良し三人組の女性が繰り広げるペーソス溢れる物語。お客さまの反応も良く笑いや手拍子も飛び出すなど楽しい舞台でした。

合間を見計らって企画運営責任者の菅谷さんにお話を伺いました。この演劇祭はご自身が劇団を主宰されていた経緯もあって実現したとのこと。

「演劇はその気になれば誰でもやれる間口の広さがある」さらに「地域における演劇文化の育成や振興を図りたい」とも。演劇について語る菅谷さんの柔和な笑顔が印象的でした。

今年は30日(日)までですが明年も開催されると思います。ぜひ機会がありましたら皆さまも佐久創造館に足をお運び下さい。

総合芸術である演劇は文化全体を測る一つのバロメーターではないでしょうか。地元で活躍する劇団や演劇人口が多ければ多いほど地域文化は元気なはず。

そう信じて私も微力ながら演劇が育つ土壌を耕し種を蒔きたいと決意した次第です。

 

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