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館長のヒトリゴト

一万人のゴールドシアターを観劇

2016.12.10

THE 10000 GOLD THEATER 2016

    黄金交響曲 

~わたしのゆめ、きみのゆめ~

 

日時:12月7日(水)15時~   会場:さいたまスーパーアリーナ

 

演出家の蜷川幸雄氏(2016年5月逝去)が、多くの高齢者が参加する作品をつくりたいと語り、「一万人のゴールド・シアター」を企画。この原案を埼玉県と県芸術文化財団が引き継いで今回の大群集劇が実現しました。

プログラムに目を通すと60歳から91歳までの約1,600人の高齢者が、地元埼玉を始め関東圏はもとより、北海道から宮崎、また遥かアメリカ在住の日本人も参加とありました。

新幹線に乗れば大宮まで約1時間、佐久地域からも出演された方がいらっしゃったんではないでしょうか。

さて会場のさいたまスーパーアリーナに到着したのは開演の少し前。当日券の売場には長蛇の列。

場内に入るとアリーナ南側と北側の対面で向き合っての座席構成。

既にフロアでは演者たちがグループごとに余興(導入部の演出だと思います)を楽しんでいました。やがて唐突に数人が現在の心境を語る中、ドラマ(W.シェイクスピア作「ロミオとジュリエット」)は始まる。良く知られたストーリーなのであとは高齢の出演者たちがどう身体表現するかに着目。説明すると長くなり省きますが、工夫されたセリフの割り振り、ロミオとジュリエットを複数人で演じる、隊列を組んでの移動など、演劇が始めてでも取り組める内容となっていました。とりわけ感動したのは、高齢な演者をケアするエスコート役(上手く流れに溶け込みながら)のスタッフたちです。この的確かつ目立たないフォローが見事で、最後まで安心して観ていられました。こうしたシニア世代を取り込む催しには欠けてはならない要素だと痛感。

超高齢化が進む今、さまざまな経験を重ねた人たちが自己主張のパンチを繰り出す。なんて素晴らしいパワーだ!そして心地良いリアルさだろう!

この企画が二回、三回と続くことを願いながら、私自身もこうしたステージを手掛けようと思った次第です。

 

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