館長のヒトリゴト
市民ミュージカルの幕が降りて
- 2016.11.19
11月13日(日)、こころのミュージカル2016「黄金の郷」が、2回の公演をもちまして終了しました。
ご来場くださいました多くの皆さまに御礼申し上げます。ありがとうございました。
そして出演者、スタッフ、ご家族、関係者、ご支援・ご協力くださった全ての方々に、
心から感謝を申し上げます。誠にありがとうございました!
終演後、お客様からいくつか質問されたんですが時間もなくお応えできませんでした。そこでその一部を…
Q ⇒ ゲネプロ(本番さながらに行うリハーサル)から本番の間にも舞台は進化するんですね?
A ⇒ 変わります。特に照明やテクニカル面の変更が多くあります。ゲネプロは演出家やスタッフにとっても
想定外のことが多々起こります。それらを見直しより良い本番が迎えられるようにします。さらに回を重
ねるたびに変わる場合もあります。これがライブの醍醐味であり楽しみでもあります。
Q ⇒ 舞台の中が透けて見える不思議な布(幕?)は何と言いますか?
A ⇒ 紗幕(しゃまく)と呼びます。
英国紗と呼ぶ縫目のない一枚物の幕もありますが高価なため、こころのミュージカルでは縫目があるもの
を使っています。
Q ⇒ 穴に生き埋めになった五郎兵衛さんたちを救出する場面に感動しました。あのシーンはどうやって誕生し
たんですか?
A ⇒ 客席からは舞台の全景がいつも見えています。そのため舞台の両側から穴を掘って繋がるようにしても
お客様の感動は希薄です。始めから結末が予想できてしまうからです。そこであのように幾つかの異なる
点で表現し、観客には部分部分(見えないはずのところ)を垣間見ながら想像を膨らませてもらう。最後
は舞台中央奥に穴が開き、穴後方からの光を浴びて次々と人が浮かび飛び出してくる。舞台の暗闇を利用
してこその、光と人と構成が一体となった演出で表しました。
また何か興味や関心があればお尋ねください。
さて幕が降りると季節は寒い冬を迎えますが、“こころのミュージカル”のスタッフは、2017に向かって雪をも
解かす熱い思いでぶつかり合います。さて来年はどんな作品で市民パワーを結集することになるのでしょうか。そして素晴らしい出会いが待っているのでしょうか。
演出家 奥村達夫 (佐久市文化事業団館長兼芸術監督)